ジョー小泉のひとりごと

漢字文化圏

仕事柄、中国や韓国を訪れる機会がある。
わが趣味は書道と水墨画だ。

異国において、漢字、あるいは擬似漢字を見かけ、何か親近感を抱く。
「擬似漢字」とは、漢字から派生したそれに似た独自の文字である。

日本 ひらかな、カタカナ
韓国 ハングル
ベトナム チュノム(字喃)

「魏晋以降、紙が広く使われるようになると、中国内部の毛筆と硯が西域の諸民族に伝わるようになる」
『漢字文化圏の思考地図――東アジア諸国は漢字をいかに採り入れ変容させたか』(西田龍雄著)より抜粋

10世紀の遼 契丹文字
11世紀の西夏国 西夏文字
12世紀の金 女真文字

漢民族が作った漢字に似てはいるが、漢字ではない自分たちの文字。
この本を読んでいると、自分が書く文字が描く宇宙が想起される。

下手の横好きのわが習字――夜、墨を磨り、字を書いていると、その宇宙の中に小さな足跡を残しているような気分になる。
それは大宇宙の中においては、けしつぶのような点なのだろうが。
(9−22−2018)


ソウルの体育館にて

8月15日。
それは日本にとり終戦記念日であり、中国や韓国にとり戦勝記念日、あるいは独立記念日であろう。

この日、韓国ソウルで韓国対中国、日本の対抗戦が開催され、中国人3名の試合を組んだ。相手は3名とも韓国チャンピオンだった。最近、外国人選手を第3国で試合させるマッチメークをしている。4月には、中国人選手(新疆出身)の試合をアメリカで組んだ。

日中韓――控室は一緒で、外観だけでは日中韓の識別ができない。それほどみんなよく似ている。

メインが終わった直後、コーナー下で応援の客が倒れた。
熱中症か、てんかんか?
韓国在住の中国人が応援に来ていたらしい。
ドクターが来るまで10分。彼はすぐ救急車を呼んだ。

ベルトを緩(ゆる)めた方がいい。靴を脱がせた方がいい。
そんなアドバイスをするが、カタコトでは意思の疎通がよくない。

韓国人のジャッジ、B氏が韓―英の電子辞書を出してきて、
EPILEPSY
という単語を指し示す。
それは「てんかん」の意味だ。

韓国語では何という?
「カンジ」というそうだ。

中国語では?
「ディエンシェン」らしい。

救急車が来た。
これを中国語で何という?
チィォフーチョらしい。聞き違えがあるかもしれないが。

救急車を待つ10分ほどが実に長く感じられ、その間に語彙が増えた。
(9−17−2018)


散歩者のつとめ Right of Way for Pedestrians

毎朝、朝食まえに水泳をしに行くか、小一時間散歩をする、あるいは走ることを常としている。
今日は池の周りを歩いた。

昨日の落雷で池の大きな樹が倒れ、その周囲を柵で囲っていた。
散歩者たちは立ち止まり、樹の裂け口から嵐の強さを思い出した。

大きな池を周り、小さな池の側にさしかかった。そのとき道の真ん中に木の枝が折れて歩行の邪魔をしているのが見えた。

それを拾い、道のわきに移動した。
年配の婦人が見ていて、音を立てない拍手をしてくれた。いわばエア拍手だ。

私は会釈をして散歩を続けた。
(8−28−2018)


ミッション・インポシブルを見る

封切り日、「ミッション・インポシブル フォールアウト」を見た。
4時までに仕事が片付けば、と家内と約束し、午前中からピッチを上げ、ギリギリで仕上げて飛び出した。

ときどき映画のパンフレットへの寄稿を頼まれるので、定期的に映画を見て、パンフレットの内容を読むようにしている。
「自分ならどう書くか」と頭の中で仮の原稿をデッサンする。

見ているあいだは、ハラハラ、ドキドキしてーーしかも3時間弱ぶっ通し――終わって映画館を出ると、印象が消えてしまう。

まるで映画の中の最初の指令のようだ。
「この命令は自動的に消滅する・・・」
(8−5−2018)


マイキー・ガルシア、イースター統一戦プログラム到着

新しいプログラムが到着しましたのでお知らせします。

7月28日 ロサンゼルス

世界ライト級王座統一戦

WBC王者 マイキー・ガルシア(38戦全勝30KO)
vs.
IBF王者 ロバート・イースター(21戦全勝14KO)

価格:4,000円(送料込み)

※注:リング・ジャパン・クラブ会員、速報メール会員は割引価格3,600円(送料含む)

リング・ジャパン プログラム係

くわしくは HOMEPAGEをご覧ください。
写真をクリックするとHPにジャンプします。
(7−27−2018)


次の美術展は石巻市

美術展の東京開催は終わり、次は石巻市開催になる。
時間があれば、それを見にいくかもしれない。

それとも次の作品を書く/画く方が時間の有効活用になるかな?
(7−21−2018)


美術展は今日まで

文化人・芸能人の多才な美術展2018
@O美術館 @大崎
は今日までです。
(7−18−2018)


文化人・芸能人の多才な美術展 2018

文化人・芸能人の多才な美術展 2018
@東京 O(オー)美術館 7月13日(金)から18日(水)
@石巻市 石巻市指定文化財 旧観慶丸商店 8月6日(月)から26日(日)

聞いたことがありませんか?

政治家、スポーツ選手、作家、芸能人などが
余技としての油絵、日本画、水墨画、書道などを
披露する展示会で、安倍総理などが出品しているそうです。


私など下手の横好きの素人なのに
縁あって
書道の拙作を出品することになりました。

お時間がありましたら、どうぞご一覧ください。


杜甫の絶句

一日おきに水泳を続けて長い。
朝泳ぐと、頭がクリアになり、一日中、体調がよい。
今朝、泳いでいたら、どうも気にかかることがある。
昨日のぞいた古書店でその本を買うか否か迷い、結局別の本を求めて出たのだが、それが急に欲しくなった。

プールへは自転車の負荷を上げ坂道を漕いで行く。
帰途、その古本屋へ直行してもいいのだが、一旦帰宅し、バッグを置き、在庫確認をしてからの方が合理的だろう。

「入口の外の左側の棚の下の段に、漢詩辞典という割と厚い、背表紙が黄色の本を見かけたのですが、まだありますか?」

本が売れない時代だから、書店の店員はたいがい親切だ。
電話を受けた若い店員はすぐ探してくれて、その大修館の「漢詩名句辞典」は在庫がある、と答えた。

「今日中に取りに行きますから、取り置きしてくれますか」とこちらの携帯番号を伝えようとすると、「ちょっと待ってください」と言って、店主と話している様子だ。

「申し訳ありませんが、外に出している本は特別ディスカウント品ですので、取り置きはしないことになっています」と杓子定規なことを言う。

朝から水泳をしてとても腹が減っている。
運動後一時間以内に、栄養摂取すると吸収がよく疲労回復に効果がある、と聞いた。
いつもそうしているのだが、遅れて行くとその本が売り切れてしまうような危惧がした。

車で五分、自転車で十分の距離だが、ちょっとでも早く着きたくて、家内を乗せて飛び出した。
駐車場に入れている間に売却済みになる可能性がなきにしもあらずーー。

よかった。まだ売れ残っていて、早速それを求めた。
帰りは家内に運転してもらい、早速後ろの席で読み始めた。

最近、水墨画の上に配置するため、ある漢詩を何度も書いている。


江碧鳥愈白

山青花燃欲

今春看又過

何日是帰年


江碧(みどり)にして鳥いよいよ白し
山青くして花燃えんと欲す
今春みすみす又過ぐ
いずれの日かこれ帰年ならんや


錦江の水は深緑で、その上を飛ぶ鳥はますます白く映る
山は青く、花は燃えるように赤い
今年の春もまた無為に過ぎていく
一体いつになったら青雲の志を果たし帰郷できることか


最後の一行を唐詩選は「わがふるさとへ帰るのは、いつのことであろうか」と解釈しているが、“帰郷”とは親戚縁者に晴れなる姿を披露する意味がかくされているのではないか。
こんな放浪の詩人(杜甫)のままでは故郷に錦を飾れない、と解した。

漢詩を暗誦するのは、水墨画に賛(添え書き)を入れるときに重要になってくる。
どうしても傍らの文を横目で見たくなる。
それは誤字を書くことへの惧れのためで、もし漢詩を暗記していれば、よそ見をせずに書き進められる。

筆の流れ、字の配置に注意を集中できて、よりよい賛が書ける。よい字を書くために暗記が大事なのは、音楽家の暗譜にも通じるのだろう。

電車の中で、窓から外を見ながら、漢詩を暗誦するーーまた楽しからずや。

(注)
写真の左は王羲之の筆跡で杜甫の詩を集字したもので、中国はこの種の拡大、縮小技術が伝統的に進んでいる。右は拙いわが臨書。いろんな大きさで相似形を書いている。
下は暗記のために原稿用紙にその漢詩を何度でも憶えるまで書く練習だ。
言葉を記憶するには手で書くのがいい。
(6−23−2018)


李思訓碑の臨書 その2

ある展示会に水墨画に漢詩を書いたものを出すことになり、少し練習している。

縦長の画仙紙において
上 漢詩
中 春蘭
下 山石(岩の上に蘭の花が咲いている構図)

を配置し、おのおのを個別に練習し、清書するときに三者を合体しようという心づもりだ。

北京を訪れたとき、有名な漢詩を王羲之の筆跡で集字した本を求めた。
それを手本にして、王羲之の字を李ようの字に置き換えてみよう、と考えた。
この本の王羲之は細くて優美にすぎる。だから、雄渾な李ようの字を水墨画の上に配置したい。

そのためには、李ようの字をもっと書き慣れねばならない。
というわけで、最近、李ようの「李思訓碑」を臨書することが多い。
なかなか巧く書けないのだが・・・。
(6−19−2018)